5巻までの内容は、王宮内の内乱の話。
共に天下の大将軍を目指してきた漂の死。
その後、秦国王嬴政に出会い、河了貂に出会う。
王都奪還の戦いで、大王一派の昌文君、壁と共に戦い
信頼を得る。
山の王楊端和、山の民の戦士、バジオウ、タジフとも
この戦の時初めて共に戦う。
互いに助け合い同じ夢を持って二人で生きてきた
漂を失った時、信は本当に一人になったかに見えた。
しかし、そこからまた沢山の仲間に出会っていく。
漂を失ってからわずか数日で、信の人生に今まで
あり得なかったような波乱万丈の日々が訪れる。
この後、5巻の後半から、信の初陣である魏国との
戦いがストーリーの中心になってくる。
6巻7巻では、秦国対魏国の戦いが描かれている。
一歩兵として戦いに参加した信。
この時集まった伍のメンバーは残り者ばかり。
しかし信は、この最初の戦いから、驚くべき強さを見せる。
伍での戦い方を無視して一人で突き進む信。
けれどそのおかげで信の前に道が開けた。
魏国軍の戦車を転倒させて馬を手に入れ、騎馬で駆け回る信。
王都奪還の戦いの時、山の王の城から馬に乗って咸陽宮まで
行った場面が思い出される。
あの時乗れるようになった事が、早速ここで役立っている。
この時点ではまだ得体の知れない人物の羌瘣も、恐ろしい程の
強さを見せる。
一瞬で多人数の敵を倒す羌瘣の剣の腕も並外れているし、
戦車に対抗する策を考えるなど頭もきれる様子。
信が配属された部隊を率いる縛虎申千人将はこの戦いで戦死
してしまう。
縛虎申は、自分の命と引き換えに敵副将宮元の首をとった。
この時、縛虎申と並んで先頭を走っていた信は、この戦いを
助ける大きな役割を果たす。
その事があり、戦果である敵副将の首を秦陣営に持ち帰る役目は
信に任された。
最後は総大将同士の一騎討ちとなり、麃公将軍が勝って秦国の
勝利が確定する。
この時点でも人数の上では魏国の方が圧倒的に多く有利なはず
だった。
しかし魏国側は、総大将呉慶将軍の死で完全に戦意を喪失していた。
この事からも信は、将軍というものの存在の大きさを知る事になる。
この戦いの途中で王騎将軍と話す機会があった信。
そこで王騎将軍が語った「将軍とは・・・」という話が、ここで
繋がってくる。
下僕だった信は漂と二人で「天下の大将軍」を目指していた。
この時は下僕ではその道は開けないとは知らない。
剣の腕があればなれるのだと思っている様子。
嬴政と、側近の昌文君、その配下の者達と出会い、
戸籍もない下僕の身分のままでは戦に参加すらできないと知る。
でも当然そんなことでは諦めない信。
王都奪還の戦いで活躍すれば、土地と家をもらって戸籍を持ち
下僕の身分も取り消してくれるのかと嬴政に尋ねる。
呆れてものも言えないという顔の昌文君や配下の者達。
しかし嬴政は否定せず、信はその約束をとりつけてしまう。
この辺りの強引さも信らしいところ。
実際に王都奪還の戦いで活躍し、小さいが土地と家をもらって
そこで貂との共同生活を始める。
これで戦に参加できる権利を得た信。
続いて戦に出て活躍し、たった一度の戦で百人将になるという
異例の出世を成し遂げる。
信がこの戦いから帰った後。
大王嬴政の命が刺客に狙われているという事で、
信は護衛の役目で王宮に呼ばれる。
この事からも、信がすでにその強さを認められていることが
うかがえる。
実際に信は、戦場で経験を積んだことで、数ヶ月前とは
比べ物にならないほど強くなっていた。
一番最初の戦いで朱凶一人に対して苦戦していた信が、
一瞬で朱凶を斬り捨てる。
事件の黒幕は呂不韋で、脱出するつもりだった通路への扉は
外から鍵がかけられていた。
もしこの時信がいなかったら嬴政は殺されていたかもしれない。
王都奪還の戦いが終わった頃には、政の目指すところの話も
聞いていて、その夢についていくと決めている信。
今回も王の剣として嬴政の命を守った。