実写映画にもなった1巻から5巻。
映画を観てから後で原作全部読んで、その全体から見ると
5巻までの内容は「本番はまだこれから」という感じなのかも・・・
でも見どころは十分。
映画は最高だったし、原作読むとさらに嵌る作品。
キングダムは中華統一までの物語がメインだと思うけど、
1〜5巻までは、それに関わる主要な人物が登場。
現時点での王宮内の様子がわかり、この状況からスタートする
これからの厳しく長い道のりが見えてくる。
最初に物語の軸となるのは、信と漂。
まだ十代前半の二人の下僕の少年が、天下の大将軍を夢見て
毎日鍛錬に励んでいる。
この時代、一度下僕に落ちたら一生そのままで、自分達の子孫
もまたその身分のまま。
そこから這い上がれるとしたら剣しかないという漂の言葉に
信も賛同し、過酷な労働の合間をぬって鍛錬に励む。
秦国の王嬴政に外見がそっくりだった漂は、ある日昌文君によって
替え玉として王宮に連れて行かれる。
嬴政は漂にその事を隠さず話すが、漂は危険を承知で引き受ける。
信と二人で描く夢のために。
それから一ヶ月後、王弟成蟜が反乱を起こした。
嬴政が黒卑村に隠れている間に、影武者の漂と、昌文君、兵士達は
秘密の通路を通って脱出。
脱出が成功したかに見えた時、王騎軍の追撃を受けた。
漂は、先頭に立って斬り進み、皆を救うために自分が囮となって一人、
馬で走り去っていく。
この後漂は、追ってきた朱凶によって致命傷を負わされる。
最後の力を振り絞って信の元にたどり着いた漂は、嬴政が
隠れている場所の地図を渡し息絶える。
嬴政と会った信は、漂が身代わりで死んだ事で激しい怒りを
ぶつける。
しかし、漂から託された事、二人の夢のために、嬴政の戦いに
協力する事を決める。
途中、河了貂との出会いもあり、三人は嬴政の側近昌文君との
合流地へ向かう。
※普通なら決して接点を持つ事がない秦国王の嬴政と、下僕の
身分の信がなぜ出会い、行動を共にするようになったかの
いきさつがここで描かれている。
この後、信と嬴政の間には、共に戦う間にいつしか信頼関係が
結ばれていく。
漂と二人で夢見た天下の大将軍への道は、信に託され、
これから信は、嬴政と共に中華統一への道を歩いていく。
この事は、物語の中をずっと貫いている軸の部分。
信は、嬴政を追ってきた刺客の朱凶を倒し、ムタを倒す。
王宮が敵だらけの今のままでは、王弟側と圧倒的な兵力の差があり
勝ち目はない。
少ない可能性にかけて山の民に会いに行く。
いつ殺されるかもしれない状況を切り抜けて山の王楊端和を説得し
協力を得る事ができた。
全員が山の民に変装し、協力しに来た味方と思わせて中まで入る
という策は成功。
中に入れたのはわずか五十人。
別働隊の信は山の民の戦士と共に左慈やランカイという強敵を倒し、
ついに敵軍総大将の竭氏の首を取る。
正面から進んだ嬴政と昌文君、楊端和や山の民の戦士達は、別働隊
が敵軍を討つまでの間、耐え凌ぎ戦い続ける。
途中、戦いの場に突然現れた王騎将軍との問答で、嬴政は自分の
目指すところを語る。
竭氏が討たれた事で、もはや戦いの決着はついていて、王弟成蟜に
味方する者は誰もいなかった。
※楊端和を説得する場面でも、王騎将軍との問答でも、嬴政が、
自分の目指すところ中華統一について語る。
これが物語のテーマになっている部分。
主人公の信は天下の大将軍を目指し、嬴政は中華統一を目指す。
今回の反乱はおさまっても、王宮内での勢力争いはまだ続いている。
これから嬴政にはその戦いが待っている。
5巻の最後では、信は初めて戦への参戦のため、戦場へ向かう。
一歩兵から始まる信の天下の大将軍への道もここから始まる。
※主要な登場人物について
早くから登場し、信、嬴政と行動を共にする河了貂も、これから
続けて登場する重要なキャラ。
嬴政の側近の昌文君、ここまでも一緒に戦ってきた副官の壁も
以降続けて活躍するキャラ。
山の王楊端和、山の民の戦士バジオウ、タジフも、これから先の
物語でまた登場してくる重要なキャラ。
最初謎の人物のような感じで登場した王騎将軍も、これから更に
存在感を増していく。
映画を最初観た時は原作を知らなかったので、登場人物の多さに
ちょっとついていけないところもあった。
それでも内容が最高だったので何回も通ったけど。
原作を知って登場人物を把握してから観るとさらに楽しめる。