12巻の内容をまとめると
九年前、王騎に斬られて死んだと思われていた。
龐煖は生きていた。
趙国側の総大将として現れた龐煖。
この戦いは、九年前の決着をつける、
王騎と龐煖の戦いでもあった。
信率いる百人隊は、戦いの序盤から
いきなり重大な任務を与えられ、見事にそれを成し遂げる。
ここからもう少し詳しく12巻の内容
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
貂と蒙毅は、他三人の者達と一緒に、古い山城跡に来ていた。
ここからだと安全に戦の様子を見る事ができる。
軍師になるための学びの一環として、
この場所でこれから戦を見守る事になる。
昌平君は乾原が戦場になると読んで、この場所から見える事
をわかっていた。
※この戦の副将蒙武は、蒙毅の父親。
戦いの始まりは、力対力のぶつかり合いになった。
蒙武軍に対して趙国側は、重装騎兵隊1000騎を送ってくる。
それでも蒙武は怯む事なく、圧倒的な力で敵を斬り伏せていく。
信でさえこれを見て驚いた顔をしている。
しかし趙国側も負けてはいない。
先鋒隊の将軍涉孟の攻撃力は凄まじかった。
あっという間に兵が斬られていく。
ここで王騎将軍自ら、信の百人隊に任務を伝えに来る。
両軍が戦っているところに側面から突入し、どさくさに紛れて
敵将馮忌の首をとってくる事。
死ににいくようなものだと言う渕。
しかし信は、無国籍地帯での修行で気づいた事を思い出し、
これは可能だと考えて任務を引き受けた。
王騎将軍は、信の百人隊に「飛信隊」という名を与える。
標的の趙軍二万は、秦軍一万と交戦中。
趙軍の注意が今戦っている秦軍の方に向いているうちに
虚をつくという作戦が立てられた。
茂みの中を進み、敵に見つからないように趙軍の真横まで進む。
見張りに見つかって仲間を呼ばれそうになった時、羌瘣が
この見張りを斬って皆を助ける。
飛信隊は、敵本陣の真横まで来る事はできた。
ここからは力で突き進む。
目の前では、趙軍と戦っている秦左軍が押され始めていた。
飛信隊はここで、少ない人数をさらに半分に分け、
戦える体力の残っている者だけで先へ進む。
これに対し馮忌は、一旦退却した。
騎馬の力を活かすために一旦距離を取り、そこから加速して
突っ込んで来る。
隊の仲間が皆んな殺られるのか!!!
信がそう思った時、敵の防護壁を抜けて左軍の将干央と
騎馬隊の兵士達が現れる。
さらに壁隊歩兵二百が、趙軍の歩兵の前に現れてこれを阻む。
これで乱戦になった。
王騎将軍が言った通り「どさくさに紛れて」敵将の首をとる
絶好の機会がやってきた。
この戦いは、軍師並みの頭脳を持つ趙の将軍馮忌と、
王騎将軍の頭脳戦でもあった。
王騎将軍の作戦は、敵国側の有能な武将を殺していく事。
戦局分析に長けた馮忌を厄介な相手と見た王騎は、
この馮忌の首をとる事を飛信隊に命じた。
最後の方になって馮忌はやっと気がつく。
左軍を誘い込んだのは自分の作戦。
しかし作戦通りいったと思っていたのは誤りで、
中央が手薄になるように仕向けられた。
つまり最初から王騎の術中にはまっていたのだった。
それでも、自分の首をとれなければ作戦は失敗だろうと
後ろの茂みへ退却しようとする馮忌。
するとその目の前に、何本もの秦国軍の旗が。
これも王騎の作戦で、茂みの中にいたのは旗を持った
数十人の小隊で軍ではなかった。
仲間の声援を受けて騎馬で突き進む信は、
ついに敵将馮忌を討つ。
この巻も、胸が熱くなるシーンが本当に多い。
初陣では一歩兵として戦に参加した信が、二度目の
この戦では百人隊の隊長。
隊の仲間との結束力、全員で戦う集の力、目的のために
隊を二つに分けて半分は残る案が隊員の方から出るところ。
隊長の命令だから動くのではなく、誰に命じられたわけで
なくても隊長の信のために皆が働く。
信についていく。
この人についていこうと思われるリーダーに成長しつつある
信の姿が見られる。
家族の事を思い、命をかけて戦う事に尻込みしてしまう
隊の仲間を説得する場面にも感動した。
決して威圧的でなく、けれど核心をついた信の言葉には
本物の説得力がある。
隊長の信と、飛信隊の隊員達、王騎将軍の策。
他にも、退却させて背を撃とうという敵の罠に気が付き
矢を射られて負傷しながらも前に進む千人将壁。
それに続く壁隊の隊員達。
死闘なら得意とするところだという言葉通りの働きをする
左軍の将干央と、干央率いる騎馬隊。
全員の力でこの作戦が成功したと言える。